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プロボウラー・インタビュー


堂元美佐 DOMOTO MISA

2002年プロ入り35期 No.369

青森県出身

165cm

右投げ

優勝3回


 
ボウリング
写真提供:堂元美佐

母が青森県代表だったこともあり、子供の頃から自然とボウリングはしていました。高校生の頃は青森のイーストボウル(当時)でアルバイトもしていました。

卒業後は暫く離れていた時期があったんですが、エステ業界に就職して東京に研修に行ったとき、さくらボウル(※)に行って久々に投げてみたら懐かしくなって、当時所属だった中野和弘(37期 No.918 SAPグループ/STEEL SPORTS)プロに「どうしたらプロになれるんですか?」って訊いてみたりしました。

中野プロから「何でも出来てプロボウラーだ」と教えていただいて、仕事を辞めてプロショップに入ってドリルを覚えて、2年後にプロテストを受けました。
1次はトップだったんですが、2次の初日で肩甲骨を痛めてしまって…テスト最終日は病院で背中に麻酔を3本打って貰いなんとか合格したという痛〜い記憶があります。

写真提供:堂元美佐

さくらボウルには閉鎖まで勤め、その後…埼玉県のサイオスボウルを経由して静岡県ココレーン三島店に行ったんですが、スタッフの病気などで入って1週間もしないうちに私が支配人をやることになってしまって、しかも何か月もひとりで、忙しくて回らないからお客さんにまで手伝って貰ったりしたこともあったっていう、とんでもない時期があって、安定して試合に行ける状況じゃなかったので2017年はシードを辞退したりも。そして2013年までココレーンに務め、再婚を機に浜松に引っ越してきました。

2016年にイベント会社「D-ROAD IV」を旦那と一緒に立ち上げて、アニマルパターンや難コンディションをボウリングファンと共に攻略し、ボウリングの奥深さを広める為に日々活動しています。

写真提供:堂元美佐
高回転への道〜挫折

ずっとハイレブへの憧れを持ちながら、プロテストに合格するまでは練習はせずに、プロになってから2年位ハイレブに取り組んだんです。でも、見よう見まねで始めたので身体の使い方も解らず、肩も故障してしまい、スピードも回転数も上がらず回転軸もショボかったので、プロで勝つ為には全く通用しないと思い、2005年からメカテクターを着けて回転数を減らし安定させる方向に行きました。

復帰
写真提供:堂元美佐

自分のSNSで発信してたのでみんな知ってることですが、私も旦那も本当に子供が好きで、自分たちの子供が欲しいと2018年ごろから不妊治療を含めたいわゆる「妊活」を始めたんです。
でも全然うまく行かなくて、メンタルにも結構ボロボロで、というのも2016年に2勝しててトーナメント出たいっていう気持ちと子供欲しいっていう気持ちとの間で揺れてしまって。

そんな時…不妊治療で着床して喜んだのも束の間、成長しきれず流産してしまう事が2回続けてありました。
めちゃくちゃ凹んで絶望感の中にいる時…旦那が「猫の譲渡会に行こうよ。」って言ってくれて、保護猫 "もなか" と "あずき" の姉妹2匹に出会えたんです。今ではこの子達が私達の子供のような大切な家族です。

写真提供:堂元美佐
写真提供:堂元美佐

今現在は、不妊治療が終わった後から、子宮内膜症を発症してしまって、痛みと戦いながらトーナメントに出場していたのですが、全く歯が立たず残りのトーナメントを諦めて、先ずは身体を治して万全な状態で復帰したいと思っています。

かけがえのない存在

今、こうしてボウリングに携われているのも旦那のサポートがあってこそだと思っています。
妊活、挫折、イップス、病気…歳を取るにつれて増えていく試練に一緒に立ち向かって寄り添ってくれるのは彼だけだと本当に感謝しかないです。彼は、常に私のことを一番に考えてくれていて私がトーナメントで活躍することを心から応援してくれています。夜中までトーナメントの対策を練ったり、眠い中マッサージしてくれたり、賞金を稼げなくても彼のお陰で私は生きていけます。それに彼と出会ってから、私は考え方も変わり、とても良い縁に恵まれていると実感しています。

写真提供:堂元美佐

そんな出会いで一番印象的だったのは、本山ボウルの北村夫妻です。お二人にはいつも子供のように接していただいて、励まして助けていただいています。親に言いにくい事や甘えることを、このお二人になら話せてしまう空気の方々なのです。本当に感謝しかないです。
もし彼と出会わなかったら今の私は無かったので、出会わせてくれた神様に感謝し、嫁としては不甲斐ないかもしれませんが、出来る限り私も彼をサポートしていきたいと思っています。
私達二人の目指すところが同じで「ボウリングで困っている人達を救いたい!」という気持ちがあるんです。始めたばかりの若い子や怪我が多い年配の方、プロを目指している子達のサポートして一緒に成長していく事を目標としているので、もし自分が投げられなくなったとしても自分の学んできた色々な技術や知識を後世に伝えていけたらと思っています。

取り組み
写真提供:堂元美佐

2020年から補助器具禁止に伴い、私はメカテクターを外すと縦回転が強くてオイルを必要とするくせに先の動きが無くなってしまうので、動きを出す為にローテーションを入れる練習をしています。昔から器用貧乏で回転をかけることはすぐ出来るんですけど、回転数とスピードのバランスが悪く対応出来るコンディションが少ないので、幅広く対応出来る投球を模索中です。
投げ方が変わったことで自分の投球に制限をかけることが多くなってしまい、イップスになり今でも投げられなくなったりしますが、原因も分かったので自分の心と向き合いながら克服していけたらいいなと思います。
私の2023年は0ポイントで終わってしまいましたが、復帰するその日まで、今は自分の身体の調子を見ながら成長していきたいと思っています。そして魅せるボウリングを完成させて4勝目を目指して前向きに頑張っていこうと思っています。

堂元美佐

D-ROAD IV

2023.09
 
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【プロボウラー紹介 一覧 】
男子
32期 No.762 山口直紹
52期 No.1322 橋本芳史
52期 No.1292 三浦啓寛
46期 No.1122 金子俊之
46期 No.1148 今泉秀規
53期 No.1343 平岡勇人
45期 No.1105 青木 剛
37期 No.920 桜庭良弘
47期 No.1337 今瀧 賢
38期 No.944 石野 宏
61期 No.1451 小野在由
53期 No.1336 黒澤勝彦
女子
49期 No.546 星野恵梨
32期 No.337 前田美津代
48期 No.532 矢野朋代
47期 No.520 三浦美里
47期 No.516 村山文佳
35期 No.369 堂元美佐